高気密・高断熱住宅を作る上での、 最低基準といえば、 「次世代省エネ基準」です。
平成23年の10月に施行された省エネ基準でも、基本的には、この基準に沿ったものになっています。
でも、この基準には、 「高気密高断熱」と言いながら、気密に関する基準がないのはご存じですか?元々は、気密(C値)に関する基準はあったのですが、 平成21年の法改正で削除されました。
理由は、いまひとつはっきりしないのですが、これまで国の省エネ基準にかかわってきた 北方建築総合研究所の鈴木大隆さんによると、
「次世代基準では、気密測定を義務付けてないので、C値の基準があっても実行されているかわからない、、、という「指摘」があることを恐れて、削除されたらしい」とのことです。 かなり後ろ向きな理由で削除されたんですね(苦笑)
ただ、気密を確保する必要がある旨は示されています。では、なぜ、気密は必要なのでしょうか?昨年行われた 「住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工の解説」 というセミナーのテキストに、 次の4つの理由が書かれていました。
1.漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
2、壁内通気を抑制し断熱性能の低下を防止する
3.壁内結露を防止する
4.計画換気の性能を保持する。
専門家向けのテキストなので、 硬いですね、表現が(苦笑)
これでは、読む気が失せると思いますので、 もうちょっと軽く書きます。
1.隙間風をなくし、省エネ化と室内の快適さを確保
2.外壁の断熱性の低下の防止
3.外壁内の結露の防止
4.換気をしっかり行うため
さらっと書くと、 ふーん、そうなんだ、 で終わってしまうのですが、それぞれ、かなり重要な内容ですし、 気密の不十分な「高断熱化」は、とても危険であるんです。
関東以南に住んでいる方は、
「断熱はそこそこでいいし、気密なんて大げさな!」
と感じるかもしれませんが、そういう問題ではありません。
気密を行わないってことは、
暖房や冷房が利かず、冬は隙間風が吹いて、空気は淀み、壁の中はカビだらけの家、
に住むってことです。何のことはない、戦後大量に供給された日本家屋と同じレベルってことですよね。
次回からは、 それぞれについて、わかりやすく説明しますね。
では!
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